ONYX RACING PRODUCTS (オーエヌワイエックスレーシングプロダクツ)
アメリカ合衆国・ミネソタにあるONYX Racing Products は、リアハブの動力伝達に一方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチ機構Sprag Clutch(スプラグクラッチ)を搭載する、大変ユニークなハブ専門メーカーです。
他メーカーのハブと一線を画す特徴は、空転時にハブから音がしないこと、非常に沢山のカラーから自由に組み合わせて選択できること、の2点にあります。
スプラグクラッチは、ペダリングするとスプラグ(だるま型金属板の集合体)が瞬時にハブボディとフリーボディの軸の間で噛み込み、駆動トルクをタイムラグ無しでホイールへと伝達します。またペダリングを止めたフリー回転時には、スプラグと接触している軸に凹凸が無いことでフリクションロスが非常に少なく、スピードの低下を抑えます。多くのメーカーに採用されているラチェット構造では爪が抵抗と“音”を生み出しますが、その音が無い(聞こえない)こともその特徴です。
短い競技時間の中で一瞬のロスも許されないBMXレーシングの世界でとても高い評価を得ているONYXですが、MTBフリーライド界の大御所“CAM ZINK”やRed Bull Rampageでもお馴染み“Kyle Strait”もONYXハブを愛用しています。
Road / MTB / FATまで網羅する幅広いラインナップと豊富なカラーオプションで、あなただけのオリジナリティを演出します。
Tech Video : Onyxインスタントエンゲージメントハブの仕組み
スプラグクラッチ – Onyx Racing Products は、リアハブにスプラグクラッチを使用しています。スプラグクラッチの特徴は、瞬時に噛み合いながら無音で作動することです。さらに、すべてのスプラグエレメントは、トルクがかかるまで駆動部とハブ本体に滑らかに接触し、最小限の摩擦で滑るように動きます。スプラグの形状は一方向にしか回転しないユニークな構造でありながら、その回転の安定性は抜群です。ペダリングによってトルクが発生すると、スプラグがわずかに動いてハブとドライバーの間にくさびを打ち込み、Onyxハブに無限のエンゲージメントポイントを与えます。一般的なラチェット機構に見られるようなスプリングの効いた爪もないため、フリーホイール時にほとんどノイズがありません。
モジュラーフリーハブユニット(MFU) – MFUデザインは、Onyx Vesper ハブシリーズとClassic ハブシリーズに標準装備されています。フリーハブシステムで駆動力と車軸荷重を共有するのではなく、それぞれは独立して動作します。ハブシェル内の2つの特大ベアリングがドライバーを支え、スプラグクラッチシステムを駆動させます。フリーハブボディは駆動部とは別個のベアリングで回転しています。この設計により、フリーハブのベアリング寿命が延び、リアアクスルアッセンブリの剛性も向上しています。また、MFUによりクラッチやドライバーアッセンブリを交換することなく、現在および今後のフリーハブボディの規格を簡単の採用を容易にします。
ハイパーグライド合金フリーハブ – Onyx Hyperglide アルミ製フリーハブボディは他のボディとは異なります。スチール製のフリーハブと比較して軽量でありながら、ガウジングに対抗するためにスチール製のインサートを備えています。フリーハブ本体は7075アルミニウム合金から機械加工され、スチールピンを使用して7つのスプラインを補強しています。この特許取得済みの設計により、2つのキースロットと残りのスロットの交換可能な摩耗面を使用してカセットの位置合わせが可能になります。摩耗した場合、スチールピンは手作業またはペンチで交換できます。
セラミックハイブリッドベアリング は、Onyx BMX Racing ハブと Classic ハブに標準装備されています。Onyx Racing Products のハブ用に特別に開発されたこのベアリングは、セラミック(Si3N4)ボールベアリングと硬化クロム鋼レースを特徴としています。各ベアリングには、外側に重いデュアルリップシール、内側に軽いシールが付いています。また、このベアリングは独自の合成グリースを使用しており、優れた回転性能を発揮します。あらゆるワットが重要である競技用アプリケーションに最適です。長寿命でメンテナンスが可能です。
フローティングアクスル – すべてのOnyxリアハブはフローティングアクスルを利用しています。この設計は、通常の走行条件下での車軸荷重から駆動力を分離します。このアプローチにより、フリーホイール時の抗力がさらに低減され、フリーハブボディのベアリング寿命が延びます。