ツール・ド・フランス 2021
6月26日にフランス北西部のブルターニュで開幕した第108回ツール・ド・フランス2021。
ブルターニュをスタートした23チーム184名の選手でしたが、3週間に渡る戦いで42名の選手がリタイア。
そして7月18日にパリ・シャンゼリゼに142名の選手がゴールし閉幕しました。
今大会、ロット・スーダルは、カレブ・ユアンのステージ優勝とマイヨヴェールの獲得を目標にスプリンターチームとして8名がスタートしました。
151 カレブ・ユアン(オーストラリア)
152 ジャスパー・デブイスト(ベルギー)
153 トーマス・デヘント(ベルギー)
154 フィリップ・ジルベール(ベルギー)
155 ロジャー・クルーゲ(ドイツ)
156 ハリー・スウェニー(オーストラリア)
157 トッシュ・ファンデルサンド(イタリア)
158 ブレント・ファンムール(ベルギー)
第3ステージ
ツール・ド・フランス開幕から3日目のピュアスプリンターステージ。
レース序盤からロット・スーダルがチーム一丸となってレースをコントロールし、最終局面までシナリオ通りの完璧なレース運び。
ステージ優勝すれば早くもマイヨヴェール獲得が決まる状況。
しかし、ラスト150mのスプリントを開始した直後にカレブ・ユアンが落車。
コース上に倒れ込み動かないカレブ・ユアン。
アシストを終えたチームメイトも足を止めカレブ・ユアンを心配していました。
ゴールラインに辿り着けず救急搬送されたカレブ・ユアンは、鎖骨が4つに分かれる骨折で手術が必要となり、ツールを去ることになりました。
そして、多くの選手が落車するステージとなりました。
今大会、カレブ・ユアンのステージ優勝とマイヨヴェール獲得に向けチーム構成されたロット・スーダル。
エースのスプリンターを失ってしまい第4ステージからは作戦を変更することになりました。
第4ステージ
絶対的エースのカレブ・ユアンを失いスプリンターチームから逃げチームへと作戦変更したロット・スーダル。
今年の5月に開催されたクリテリウム・デュ・ドーフィネで独走逃げ切りでプロ初優勝を飾ったばかりのブレント・ファンムールが第4ステージで逃げることに。
ファーストアタックを決め2名で逃げる展開に持ち込んだブレント・ファンムール。
そして、ラスト14kmから独走態勢で逃げ続け、ツール・ド・フランス初出場で逃げ切りステージ優勝かと思いましたが、ゴール手前200mで集団に吸収。
ギリギリ逃げ切るか興奮した話題のステージとなりました。
6月6日に開催されました日本最大規模を誇る人気のヒルクライムイベント、Mt.富士ヒルクライム。
例年ですと約1万人が参加する人気のヒルクライムイベントですが、昨年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で残念ながら中止となってしまいました。
そして、2年ぶりの開催となった今年は4,726人のサイクリストが富士山五合目を目指しスタートしました。
世界遺産、富士山の雄大な景色と三合目付近から徐々に景色が変わりはじめ、南アルプスの山々や自然を見渡しながらゴールとなる五合目まで走り抜ける気持ち良さは圧巻なのですが、残念ながら生憎の雨で景色は微妙でしたね。
RIDLEYスタッフも軽量オールラウンダー、Helium SLX Discで参加しました。
ヒルクライムイベントだけあって前日のサイクルエキスポ(試乗会)でもRIDLEYブースに来ていただいた方は軽さを求めHelium SLX Discを気にされている方が多かったです。
富士北麓公園をスタートし、富士スバルライン料金所手前から計測が開始され五合目に設置されたゴールまで全長24kmで計測されます。平均勾配5.2%(最大勾配7.8%)、標高差1,270mのコースは厳しすぎない勾配と道幅も広く走り甲斐があります。
富士山と聞くと過酷なレースだと思われがちですが、初心者の方でも楽しめるヒルクライムコースです。
前日の天気予報では朝から雨でしたが、私のスタート時には雨にさらされることなくスタートすることができました。
天気さえ良ければ富士山に映える鮮やかなブルーとオレンジのロゴ。今にも降ってきそうな天気に気分が重たかったのですが、Helium SLX Discの鮮やかなカラーリングがモチベーションを最高に高めてくれスタート。
富士スバルライン料金所手前の計測地点まで疲れないようにゆっくり登り、計測地点から加速してペースを上げました。
Helium SLX Discの軽やかな加速性能に加え、RIDLEYのバイクすべてにおけることですが、路面追従性が高く、加速してから速度を安定させることに無駄な力を使わないと感じました。
一合目までは距離も長く急勾配が続きましたが集中して二合目あたりまでテンポ良く走っていましたが、二合目付近の青木ヶ原樹海あたりで異変が!!
樹海の都市伝説である「コンパスがきかない」ではなく・・・足がキツイ!!
スタートからギアを重くして踏みすぎたようです。
Helium SLX Discの剛性の高いフレームで、普段より重いギアで踏み込みすぎると、フレームからの反発により足が疲れてしまいました。
おそらくアドレナリンが出てしまって重いギアでオーバーペースになってしまっていたのが原因です・・・
ペースダウンし、周りの方を目標にペースを立て直すことに集中しました。
四合目付近で雨が降ってきてしまいましたが、ゴールまであと少し。
ここまで来るとアドレナリン全開で寒さも感じませんね。
同じペースで走っていた他の参加者の方達と阿吽の呼吸でゴールまで一緒に向かいゴール。
雨が降りしきる過酷なコンディションの中、無事に完走することができました。
天気が悪く広大な山々を頂上で拝めることはできませんでしたが、「富士山を自転車で登った」という満足感で胸がいっぱいになりました。
しかし、下りは悪天候で寒く過酷でしたね。
防寒着不足もあり寒さで指先の動きが悪くなってしまいましたが、ディスクブレーキでの下りは、天候に左右されることなくブレーキが効き安心して下ってくることができました。
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持ち前の独走力で138kmを逃げ続けたファンムールが第4ステージの敢闘賞を獲得しました。
レース後、逃げ切れず悔し泣きのファンムールに逃げ職人の先輩トーマス・デヘントは「君は戦いに負けたが経験を勝ち取った。次だ。」と次世代の逃げ職人にメッセージを送っていましたね。
そして、2016年以来、5年ぶりのツール・ド・フランスでステージ優勝したマーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ)。復活を思わせるツール通算31勝目です。
第6ステージ
ファーストアタックでジャスパー・デブイストとトッシュ・ファンデルサンドが入ったと思いましたが、直ぐに吸収され、次に8名の逃げが形成されトーマス・デヘントも入りましたが8名の協調体制うまくいかず集団に吸収。
そして次にロジャー・クルーゲとグレッグ・ファンアーヴェルマート(アージェードゥーゼール・シトロエン)が逃げはじめ、ラスト2.5kmまで2人で逃げ続けましたが集団に吸収。
第7ステージ
マイヨジョーヌのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)を含む大人数の29名の逃げ集団を形成。ブレント・ファンムールとハリー・スウェニー、フィリップ・ジルベールが入りました。
最初の山岳でブレント・ファンムールを含む4名が抜け出すも更にスピードアップしたモテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)から遅れてしまいステージ9位でゴール。ジルベールも16位でゴール。
第10ステージ
スタートアタックを決め逃げ始めたトッシュ・ファンデルサンドとユーゴ・ウル(アスタナ・プレミアテック)。
約168km逃げましたが残り22kmで集団に吸収。
第12ステージ
13名の逃げが決まりハリー・スウェニーとブレント・ファンムールが入りました。
ハリー・スウェニーが13名の集団からアタック。
補給食を食べようと思ったタイミングにアタックチャンスが来てしまったのか?
補給食を食べながらモグモグアタックとなってしまいました。
ハリー・スウェニーがステージ3位。ブレント・ファンムールも8位でゴール。
第13ステージ
スタート前に逃げ宣言をしていたトーマス・デヘント。
スタート直後から宣言通りに動き出したトーマス・デヘントですが、デヘントの逃げを集団は許してくれなく吸収。逃げ職人と言われるだけあって簡単には逃げさしてくれない状況が続いてしまいます。
残り70km地点でメイン集団にいたフィリップ・ジルベールが加速。強風と悪路の路面の下りで緊張感が増した集団内で大落車が発生。
ロジャー・クルーゲが上半身の擦過傷と肘を打撲と縫うような傷によりリタイアとなってしまいました。
そして、ツール・ド・フランスでのステージ最多記録をもっているエディ・メルクスの通算34勝に並んだマーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ)。
第19ステージ
スプリンター向けの平坦ステージとあって集団スプリントに持ち込まれると予想された第19ステージ。
トーマス・デヘントのファーストアタックを経て、レースの中盤に20名に増えた逃げ集団にブレント・ファンムールが入りましたが、残り43kmを切ったぐらいでステージ優勝に向けアタックが始まりブレント・ファンムーㇽは遅れてしまいました。
第21ステージ
ツール・ド・フランス46年続く最終ステージのパリ・シャンゼリゼの周回コース。
3週間前にブルターニュで始まったツール・ド・フランスも総走行距離3414.4km。
各賞の祝福や選手たちの顔にも笑顔が見える中、レース中盤になると最終ステージのバトルが始まりました。
ハリー・スウェニーが逃げて、その後ブレント・ファンムールが逃げるもスプリントに持ち込みマーク・カヴェンデッシュでステージ優勝とエディ・メルクスが持つツール通算34勝の記録を更新すべくドゥクーニクンク・クイックステップがペースアップし逃げを吸収。
カヴェンディッシュのステージ優勝は叶わず、ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)がステージ優勝。
今年で引退を発表したアンドレ・グライペルもステージ5位でゴールしていましたね。
グライペルはロットチームに所属していた時に、Noah SL、Noah Fastの開発に携わった選手です。
2年連続マイヨジョーヌを獲得したタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)。
第5ステージの個人タイムトライアルで優勝し、第8ステージでは雨が降る悪条件の山岳ステージで圧倒的な走りを見せ、マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)からポガチャルへとマイヨジョーヌが動きました。
そして第17ステージと第18ステージでもステージ優勝し、ステージ3勝を挙げパリに凱旋したポガチャル。
昨年もステージ3勝しており2年連続でステージ3勝とマイヨジョーヌ(個人総合成績)、マイヨポア(山岳賞)、マイヨブラン(ヤングライダー賞)を獲得。
今年のツール・ド・フランスでは絶対王者らしい走りを見せつけられましたね。
しかし、今年のツール・ド・フランスで印象に残ったのはグレッグ・ファンアーヴェルマート(アージェードゥゼール・シトロエン)と現世界チャンピオンのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)。
ファンアーヴェルマートは沢山のステージで逃げ、アラフィリップも逃げとカヴェンディッシュのためのスプリントの牽引役で存在感を感じました。
今年のツール・ド・フランスではロット・スーダルは3日目にしてエースを失い苦しい展開になってしまいましたが、新しい逃げ職人ブレント・ファンムールが誕生したツール・ド・フランスでした。
目標であったカレブ・ユアン自身初となるポイントジャージのマイヨヴェールを獲得しパリに凱旋し、RIDLEYとして2006年のロビー・マキュアンが獲得以来15年ぶりのマイヨヴェール獲得と想像していました。
近いようで遠かったマイヨヴェール・・・
来年に持ち越しです!!
最後にツール・ド・フランスに出場したチームは23チームでした。
そのうちステージ優勝したチームは8チームです。
やはりチーム力が高いドゥクーニンク・クイックステップとユンボ・ヴィスマのステージ優勝は多いですね。
ステージ5勝:ドゥクーニンク・クイックステップ
ステージ4勝:ユンボ・ヴィスマ
ステージ3勝:UAEチームエミレーツ
ステージ3勝:バーレーン・ヴィクトリアス
ステージ2勝:アルペシン・フェニックス
ステージ2勝:ボーラ・ハンスグローエ
ステージ1勝:アージェードゥーゼール・シトロエン
ステージ1勝:トレック・セガフレード
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