Selle SMP訪問記 その2
前回の続きになります。
いよいよ今回はSMPのサドルを実際に製造している工場の様子について書きたいと思います。
工場はこの日の二日前に訪れたコンチネンタルに比べると、規模は大きくなく、日本でいう町工場のような印象を受けました。
私たちが工場に入ると、職人の方々が一つ一つサドルの仕上げを行っておりました。
この工程では縫いあがった刺繍の凹凸を滑らかにするのと同時に耐久性を高める作業を行っていました。無駄のない動き、素人目には判別できないわずかなムラも逃すことなく仕上げていました。
新製品のBLASTERです!
サドルの本体(ベース)となるコチラ。
すると・・・・・
!?
目を疑いました(笑)
何回も力強く(笑顔で)踏みつけています。
踏みつける際に変形はしますが、割れることはありませんでした。カーボンを配合した特殊な素材により、高い強度を誇っています。
つい、割れないか身構えてしまいました(笑)
私も踏ませていただきましたが、割れませんでした。こういったのを見ますと製品の品質への自信をひしひしと感じます。
コチラはサドルに使用されるレザーの検品をしている作業になります。サドルの形状に裁断されたレザー、当然この状態になるまでに大きな傷などがあるものはチェックを通らないでしょう。写真のように実際に引き伸ばしてみないと分からないような細かいムラ、傷をチェックしていきます。
驚くことにこの工程でも多くのレザーがはじかれていました。徹底した品質管理の高さを感じました。
次に見せていただいたのは、上位モデルのサドルに採用されている中空ステンレスのレールです。
コチラも折れるまで曲げて良いと言われたので力いっぱい曲げましたが多少の変形はしますが、折れることはありませんでした。
大柄な方が180度まで曲げても折れなかったそうです。チタンなどに比べますと多少重量は増えますが、ライダーの体重を受け止めて、なおかつスムーズなペダリングを支えるために、粘りがあり折れづらい中空ステンレスを採用しているとのことでした。
まさに目から鱗の数々です。
更に工場を進むと、ウレタンを型に注入して製造するモデルの製造過程を見ました。
価格帯的には、下位のモデルにはなりますが、こちらも職人さんが丁寧に作っていました。
100%イタリアで生産し、そのほとんどを自社の職人が製造しています。
その一貫したSMPのコダワリ、製品への妥協を許さない姿勢は日本のいわゆる”職人”や”匠”といったものと通ずるものがあると思いました。